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生徒が考える学校生活

 常に言い続けていますが、学校の主役は生徒です。ですから、学校生活もどうしたらみんなが過ごしやすくなるかを、自分たちで考え、話し合い、自分たちの手で良くしていくことが重要です。

 2月18日に行われる後期生徒総会では、「安心安全な学校生活を考えよう」をテーマに、全校で話し合いを行うことになりました。
 生徒会執行部は「一人一人が輝ける」、「みんな仲がいい」、「心が温かくなる」生徒会活動に取り組んでいこうとしています。そのためには、一人一人が笑顔でいられるような環境づくりが必要だと考え、今回の生徒総会では「休み時間」に焦点をあて、様々な視点から「笑顔で過ごせる休み時間」を全校みんなで考えようとしています。

 2月5日に行われた学級討議では、第2号議案で「どんな休み時間なら笑顔で過ごせる?」をテーマにした話し合いが行われましたが、「自分はこんな時に笑顔で過ごせているなあ」、「もっと〇〇だったら笑顔が増えるかなあ」、「自分は楽しく過ごせているけど、学級全体ではどうだろう?」、「笑顔になれないときってどんな時だろう?」……。ふせんに書き出しながら、お互いの意見に耳を傾け合う姿が各クラスで見られました。

 全体的には「私は~」と自分のことをふりかえって、意見を出す生徒が多かったのですが、1年生は、「〇〇されるのは嫌! だから、〇〇してほしい!」という、自分以外の人にマナーを守って安全な環境を作ってほしいという意見が多かったようです。(大きな声で騒がない、トイレにたまらないなど)
 2年生は、「〇〇だったらより楽しい! だから、〇〇してほしい!」という、みんなが楽しく笑顔で過ごせるための具体案がたくさん出されていたようです。
 3年生は、「自分は〇〇だから、〇〇している!」と自分軸のはっきりしている意見が目立ったようです。

 成長段階によって出てくる意見が違うことが感じられて、それもまた興味深い話し合いになっていました。

 話し合いをしていく中では、楽しさ(笑顔になれるとき)の価値観や定義が人によって違うことに気付いた生徒もいました。友達とおしゃべりしている時が楽しいと感じる人もいれば、一人静かに読書している時間を楽しいと感じる人もいる……。同じ空間の中に、自分とは異なる価値観をもった仲間がいるという認識は、話し合いの中で自分の考えを伝え合ってみて、初めて気付くことでもあったようです。
 
 安全な学校生活は、命や生命を守るために必要な、ある意味当たり前のルールにのっとっている物理的なことであり、社会の中では法律によって決められている部分です。ここは、全員が絶対に守らなければならないことですし、現在の本校は、守られている状況にあると感じています。
 だからこそ、次に考えたいのがその上に成り立つ、安心できる学校生活です。安心できる学校生活とは、心理的安全性が保障されるために必要なマナー的な部分やモラル的なものとしてあるものだと感じています。誰もがホッとできる・笑顔になれるような生活。そこには、様々な立場や視点が存在していて、自分だけがいいのではなく、学校という同じ空間にいる友人、仲間、異学年の人たち…、その誰もが安心できる空間を考える必要があると思うのです。

 困っている人、笑顔になれていない人はいないのかなあ!? もしいるなら、どうしたらいいのかな!? 四中にいるみんなが笑顔で過ごすために大切にしたいことは、どんなことなのかなあ!? 
 もしかしたら、これまでの「常識」や「価値観」を超えたところに、みんなが安心できる環境があるのかもしれませんし、新たに創り出せるものなのかもしれません。正解はありません。子どもたちと一緒に考え続けたいと思います。そして、自分たちの手で、より過ごしやすい四中を創っていってほしいと思っています。

 現在放送中の日曜劇場「御上先生」は、学校がテーマのドラマとなっていますが、主人公である「御上先生」の口ぐせは「考えて!」です。考えることをしない、誰かに答えを求めようとする生徒たちに対して、御上先生は、とにかく自分の頭で考えることを求めます。
 日本の学校教育の中で一番欠けていて、だからこそ、今大切にされていることが、主体性と当事者意識です。それを取り戻すためには、自分の頭で考えて動くことが何より重要。御上先生が求めていることは、本校で求めていることと重なります。

 後期生徒総会に向けて話し合いを行っている「安心安全な学校生活」も、生徒自身が考え、行動していくことで、主体性と当事者意識を高めることにつながるものと思います。

 さらに2年生では、修学旅行に向けて、スマホの持ち込みやお小遣いなどについても、生徒自身による話し合いを何度となく繰り返しているところです。「みんなが楽しめる修学旅行」にするにはどうしたらいいのか、議論は尽きず、頭を悩ませているようですが、これもまた主体性と当事者意識を高める大事な時間だと感じています。
 「考えて!」 キーワードとして使っていきたい言葉です。